スイス最大の都市、チューリッヒ。
そこにはFIFAの本部がひっそりと建っています。
チューリッヒ中心部からトラムに乗って東の端(動物園方面)まで行きます。
トラムを降りるとすぐ目の前がFIFA本部の敷地となっています。
(トラムを降りて見えてくるFIFA本部のグラウンド)
1分ほど歩くと入り口が見えてきます。
おー!
小さい頃からサッカーが好きだった私にとってはテンションの上がる場所です。
中に入っていいのか分からずキョロキョロしていると、半袖短パンに買い物袋を持った「普通のおじさん」が登場。
足取り軽く、ゲートに向かって行くではありませんか。
様子を見ていると、少し開いたゲートの隙間から、ひょいと中に入って行きました。風貌を見ると明らかにスタッフではないことは確か・・・
「え!?そんなんでいいの?」と思いましたが、入れるなら入ってみようと決心し、私も便乗することにしました。
すんなりと入れました。
これは悪いことをしているのかと不安になりましたが、敷地内の別のコートで試合をしている人々。よく見るとこれまた「普通のおじさんたち」でした。
詳細はわかりませんが、一般開放しているようです。
その後も、昼食から戻ったスタッフらしき方を何人も見ましたが、特に何か言われることはありませんでした(半袖短パンのおじさんも)。
それにしても、ここで様々なことが協議・決定され、動いていく場所だと思うとなぜか体が固まってしまいます。スタッフの中には各国の代表クラスだった方もいらっしゃるでしょう。
さらに奥にあったグラウンド。FIFA加盟国の国旗が掲げられています。
本部に来たといっても、特に何かを見学できるというわけではありませんでした。
そこで、今年2月にオープンしたばかりの「FIFAワールドフットボールミュージアム」へ行くことに。(このミュージアムはチューリッヒ中心部にあるので行きやすいです)
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物価の高いスイス。もちろん入場料も高く、長旅ではかなり痛いですが、「あのトロフィー」があるという情報を聞き、行ってみることに。
レセプションにて確認すると、「あのトロフィー」があるとのこと。しかもオリジナルが!!!
記憶では、「あのトロフィー」は優勝国が保持することになっていたと思っていましたが、規定が変わり、オリジナルはここFIFAワールドフットボールミュージアムが保管することになり、優勝国はレプリカが渡されるそいうです。
さっそく中へ入ってみましょう。
まず迎えてくれたのは加盟国の全ユニフォーム。
エンブレムも見る事が出来ます。
中にはこんなものも。
「マカオ代表のユニフォーム」
「全加盟国」なので当たりまえですが、興味深かったです。
このミュージアムではFIFAの歴史も学ぶことができます。こちらはFIFA発足当初、1904年の加盟国。
日本はというと、1929年。Jリーグ発足が1993年なので、こんなに古いとは思いませんでした。
ちなみに、FIFAができる以前に古くからあったサッカー協会があります。それはイギリスのサッカー協会です(1863年創立)。
それぞれの協会で独立しており、イギリスは4つの国として(イングランド・ウェールズ・スコットランド・北アイルランド)国際大会に参加することができるのです。
原則として1カ国に1つの協会しか加盟できませんが、特別な理由があれば複数加盟する事が可能です(マカオや香港もその例の1つ)。
さらに進むと見覚えのある顔が! 澤選手です!
ワールドカップ優勝国として、またバロンドール(FIFAが選ぶ世界年間最優秀選手)受賞者として、メッシやロナウドと並んで展示されています。これには感動しました。
ワールドカップ歴代優勝国に関連するブースにはしっかりと澤さんのものがありました。
そして、ワールドカップトロフィーもオリジナルが展示されています。
ちょっと見にくいですが、はっきりと「2011JAPAN」の文字が。
アメリカとの決勝戦、澤さんの「気持ち」で決めたあのゴールが蘇ってきますね。
さてみなさん、このトロフィーをご存知でしょうか。
これは「ジュールリメ杯」といって、ワールドカップのトロフィーとして使用されていたものです。
(ジュールリメ杯を掲げるペレ)
ブラジルが3度目の優勝を果たした1970年に、ブラジルに永久保存されたのですが、2度目の盗難にあってしまい、現在でも見つかっていません(すでに溶かされているという噂も)。ここにあるのはレプリカです。
しかし、土台の部分の傷が気になていました。
後日知ったのですが、なんと土台はオリジナルだったようです。なんと、このミュージアムを開館するにあたり、FIFAの倉庫を整理していたところ、出てきたことのこと。
そしてついにやってきました!
「あのトロフィー」です。 もう説明はいりませんね!
これは本当に凄いです!!!感動のあまり長時間いすぎて、スタッフが見張りに来ていました…。
でも感動したのです。
小学生のころ、このトロフィーを掲げることが夢で、必死に毎日ボールを蹴っていました。
そのトロフィーを・・・
今こうして・・・
掲げることが・・・
できました!!!!!!
※お見苦しい写真ですみません。
このミュージアムに来館した選手のサインボードもあります(2つとも元ブラジル代表のカフー)。
歴代優勝国のメンバー表。来館者には印が。こちらもカフー。
そうなんです。カフーが、このミュージアムにあるワールドカップを持ってきたのです。
その動画はこちら、公式ホームページにて。
展示物はこれで終わりではありません。10分ほどの迫力ある映像や、世界で使用されているサッカーボールの展示、子ども向けのブースまで、サッカーを通して感じてもらいたいことが考えられていました。
サッカーがスポーツとしての役割だけでなく、世界を繋げるツールであることを感じる、非常に価値のあるミュージアムでした。
(世界で使われているボール。竹制のものから布を丸めただけのものまで。)
チューリッヒにはたくさんの見所、美術館があり観光客が絶えませんが、ここもその一つとなるのは間違いないでしょう。
サッカー経験者ならだれもが憧れるこのトロフィー。
ワールドカップの時期になると会場へ持って行かれるので、時期を考えて来館してみてください。
ついに掲げられましたか。。。
おめでとう!!
いつかは私も!!