この写真はジブラルタル海峡(スペインとモロッコの間)を飛行機から撮影したものです。ギリシア神話では、ヘラクレスが陸続きだったヨーロッパとアフリカをこじ開けたと言われている海峡です。
地図で見てみるとこのあたり。
写真では壮大に見えても、地図上では小さいですね。地球、大きいなぁ…。
ヨーロッパに一番近く、アフリカ大陸の端にあるモロッコ王国。フランスの保護領時代に貿易の街として栄えました。
イスラム教(スンニ派)が国教で、北アフリカ最古の民族と言われる「ベルベル族」がモロッコの人口の約半数を占めると言われています。
ちなみに、元フランス代表のジダンもベルベル族。両親はモロッコのお隣の国、アルジェリア出身です。フランスでは「北アフリカ移民の星」とも言われているそうです。
(出典:www.goal.com/jp/news/126/フランス/2014/09/16/5108926)
首都はラバトですが、カサブランカが最大の都市として栄えており、飛行機でのアクセスもカサブランカが主になってきます。
では早速街に出てみましょう。
空港から電車でカサブランカの街に向かうと、このような光景が目に入ってきます。
広大な土地にぽつぽつと民家。
写真には残していませんが、ゴミのたまり場のように見えた場所は、布でテントを張った集落のようでした。
ヨーロッパの比較的裕福な地域を見ていたので、そのギャップに現実を突きつけられ、言葉を失います。
窓が小さい。
モロッコの伝統的な家は「リヤド」と言い、窓が小さく、光を取り入れるために中庭があります(※リヤドでも様々なスタイルがあります)。
(今回マラケシュで泊まった宿はリヤドをチョイス)
見えてきました、カサブランカの街!
よ〜く見るとすごいい数…
のパラボラアンテナ!!!
自国のテレビ局が少ないモロッコ。アンテナを付けると、300〜1000近く外国のチャンネルを無料で受信できるとか。
電車を降りるとそこは最大都市とは思えない風景。今にも壊れそうな古い車をよく見かけます。
しかし、街には建築中の建物がたくさんあり、まだまだ発展している傾向にあるのかなぁ〜なんてことを感じます。
車体は古くてもWi-Fiが使える!?
確かに、ヨーロッパではバス内でもフリーWi-Fiが浸透していますが…本当に使えるのかな〜。
昔の日本とは違い、「モノ」の発展より「情報」の発展が今の途上国の特徴ですね。
昼だからなのか、市場もあまり活気がありませんでした。日本人だと思うと必要以上に絡んでくるのがモロッコ(後のマラケシュで嫌な思いことは言うまでもありません)。
(亀)
(アラビア語でカラモスというフルーツ。路上でたくさん販売してます。)
街を歩いていると、あることに気づきます。
カフェが多くあるのですが、男性しかいません。
イスラム教では女性が目立つ場所で長い時間いることは良くないとされているのです。
そして宗教を感じたものがもう一つ。
水着もしっかりと肌を隠します!その名も「ブルキニ」。
この水着、2016年8月19日のYahoo!ニュースにも掲載されていましたが、話題になっていました。フランスでいくつかの自治体が「イスラム過激派を連想させる」と言って、「公共の秩序を危険にさらす危険性がある」としました。これに対し、「ニースでのテロの犠牲者85のうち、約30人はイスラム教徒ということを忘れないでほしい」と違和感を覚えた人も少なくないようです。
モロッコに着いて2時間弱。すでにたくさんの刺激と暑さで疲れますが…
古郷を感じる花には安心させられます。
さて、この日のうちにマラケシュまで行かないといけないのでまた電車の旅です(カサブランカの宿はどこも高い)。カサブランカからマラケシュまでは電車で3時間。出発時刻は30分ほど遅れました。
電車は乾燥した広い大地を駆け抜けていきます。
旅の移動は貴重な睡眠時間にもなりますが、見方を変えれば観光ツアー。
車窓からは人工物が見当たらず、地球という惑星をを感じます。
(人が歩いていますが、見えるでしょうか。自然には圧倒されますね。)
(もはや映画の世界)
道があるから、人は立ち入ることができる。逆に言うと、道がないとなかなか行く事ができない。
人生と一緒で、道を切り開くことは勇気と努力が必要ですね。
今こうして旅ができているのも、先人たちの知恵と努力、公共の機関、システムのおかげなのだとつくづく感じます。
はたして自分は何を未来に残せるのだろう…
電車はさらに進み、時折街が見えては過ぎていきます。
何もない、ほぼ砂漠状態の中に人がいます。彼らは電車が安全に通過できるよう、交通整理をする人たちです。
ベルベル語でマラケシュは「神の国」という意味。
マラケシュ駅から出ると、人の多さと車のクラクションに、東南アジアを思い出します。
気温は36度。
宿までの2キロの道のりをひたすら歩きます。我慢しきれず途中コーラを購入。1.5リットルで8ディルハム(約80円)。思っていた以上に物価は高いです。
この日の宿は先に紹介したように、リヤド。その特徴として「見つけにくい」というものがあります。
マラケシュの旧市街は世界遺産にも登録されており、伝統の家屋リヤドもたくさん残っています。
小さな路地で宿を探していると、声をかけられます。
「ここはホステルが多いから教えてあげるよ!なんて名前のホステルだい?おれは20年ここに住んでるからこの土地に詳しいよ!」
親切さに思わず聞きそうになりましたが、このタイミングと、こんな路地入り口で話しかける優しいお兄さん複数にんは完全に怪しいですね。
この場合は完全にガイド料を取られるパターン。ちょっと感覚が鈍っていました。
自力で探すも難しく、レストランのおばちゃんに聞くと親切丁寧に教えてくれました。
旧市街に出てみましょう。まずはスークと呼ばれる迷路のような市場。
地元の人から観光客まで様々。カラフルな色彩が印象的。
市場を抜けると広場。ここはジェマエルフナ広場と言い、毎日祭りのように賑わう場所です。
日中は暑すぎてこのような状態。
この広場はかつて、公開処刑も行われていた場所で、ジェマエルフナはアラビア語で「死者の集会の場」という意味です。
夕刻になると徐々に人々が集まりだします。
(名物のフルーツジュース屋さん。ジュース屋台がずらっと並んでおり、1杯40円程度でおいしいです!)
(伝統のタジン鍋。この形は少ない水分で野菜を効率よく煮ることができる構造になっています。ここでは水は貴重だったんですね。)
(実際に野菜は柔かく、非常に美味しい!)
(クスクス。前日に食べたタジン鍋の方が野菜は柔らかかったです。)
ジェマエルフナの夜は尽きません。
人がたくさん集まる場所。物乞いや観光客を無理矢理店にや商売に引き込もうとする人もいます。私自身、夕飯を食べようと屋台のエリアに足を運ぶと、たくさんの客引きに捕まりました。日本人だとわかると、必要以上に話しかけてきます。しまいには腕を強く握られました(※おそらく女性にはしません)。
もちろん彼らも必死なのは分かりますが、嫌な思いをしてまで食べようとは思わないので、握られた手を振り払い、その場を後にしました。
そんな中…
モロッコでも出会いました。
人が目を背けることに向き合い、作業を行う方々には頭があがりませんね。
この後も、何処からともなく漂ってくる、モロッコの刺激をお伝えしていきます。
今回も長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。