チョコレートは薬!?危険な飲み物!? チョコを愛するベルギーでチョコっと学んだ知られざる歴史 


バレンタインデーや記念日、クリスマスなど、人生の節目に用いられるチョコレート。今や切っても切りはなせないくらい生活の中に存在するチョコレート。

そんなチョコレートの歴史をチョコっと覗いてみましょう。IMG_9347

 

 

 

 

ここはベルギーの首都、ブリュッセルにあるチョコレート博物館。その名も、

『ベルギー・チョコレート・ビレッジ』IMG_9451

かつてビクトリアチョコレートの工場だった建物の一部が、博物館となって公開されています。

 

 

 

チョコレートの歴史

チョコレートの原料であるカカオ豆は、中米で栽培が始まります(ガーナなどのアフリカのイメージもありますが、元々は中米なんですね)。

 

コロンブスのが持ち帰ったことや、中米を支配したスペイン人により、ヨーロッパに広がっていきます。

IMG_9338 (チョコレートの原料、カカオ豆)

 

チョコレートは初め、「薬」として人々の生活に入っていきました。

実は、チョコレートそのものには、血液中のコレステロールを減少させる効果や、歯を丈夫にしてくれる効果があります。

 

しかしその後、苦みを和らげるために砂糖などを入れ、現在のチョコレートへと近づいていきます。 IMG_9356(カカオ豆と、カカオ100%のチョコレート)

IMG_9357 試食してみましたが、味は薄く、苦みがありましたが美味しい。(その後試食した砂糖の入ったチョコレートがかなり濃い味に感じました)

 

 

イギリスにまで広がったチョコレートは、貴族や裕福層の贅沢な飲み物となっていきます。IMG_9415

 

チョコレートはワインと一緒で「情熱的」になってしまう飲み物として考えられるようにもなりました。そのため「危険な飲み物」という悪い評判もあったそうです。

 

 

その後、産業革命によりチョコレートは劇的に変化していきます。

産業の発達により、様々な調理方法や成形が可能になり、大量生産できる菓子類へと移行していきます。

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上のポスター(1928年)は、チョコレートの名前を壁に書く少女がモデルとなっています。これは当時の人々の生活を表しており、絵に自分の姿を見た人々の共感を得ました。

こうして人々に親しまれていったチョコレートは世界へと広まっていきます。

 

 

チョコレートと戦争に関するエピソード

世界大戦の前や戦時中は材料不足になり、チョコレートの成分を変えて製造せざるを得なかったようです。そのため、パッケージデザインや商品名、味、中には社名を変えてまで製造していたようです。

 

また、植民地を持っていた国は、チョコレートと黒人のイメージが重なり、パッケージデザインに採用しました。IMG_9390

これは第1時大戦中、セネガルの怪我をした原住民歩兵が工場に雇われ、「チョコレート美味いな!」と言ったシーンがモデルになっているそうです。

※このパッケージは人種差別とみなされ、2006年に禁止されています。

 

 

 

デザイン

IMG_9375

産業革命によって普及したチョコレートは、各メーカーがあらゆる努力をし、箱やパッケージデザインに力を入れ、商品を展開していきました。

 

例えばミルクチョコレートで有名なスイスでは、スイスの山々を背景に乳牛のシルエットでデザインし、ミルクの品質を固持しようとしました。

その他、オランダでは観光名所を、ノルウエーでは宣伝文句などを用いたデザインなどがあります。

 

 

また、チョコレートは子ども向けのお菓子となっていきましたが、大人向けの商品やパッケージデザインも再開発されていきました。

IMG_9430(写真は子ども向けのデザイン)

デザインが社会に与える影響は大きいですね。

 

 

さらに、アールヌーボー(植物や自由な曲線による装飾)の時代には、芸術家たちもパッケージデザインを盛り上げました。

IMG_9380

 

 

 

イマジネーション食材

チョコレートはただの菓子では納まらず、音楽や映画、オペラやバレエ、マンガなど、あらゆるジャンルへと展開しイマジネーションを突き動かす存在となっていきます。

 

博物館では、チョコレートがモチーフとなっている映画のワンシーンやCMを見る事ができます。IMG_9388

 

動画はこちら

 

 

 

博物館としての役割

博物館には見て楽しむ内容が盛りだくさんです。ここで紹介したのはほんの一部。カカオについての詳しい説明やチョコレートのもっと深い歴史、チョコレートにまつわるデータや記録なども、タッチパネルの大型スクリーンで楽しく学ぶことができます(日本語もあります)。IMG_9405

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他の展示もいろいろ見ていると、カカオ豆は通貨としての機能もあり、カカオ豆100個と引き換えに奴隷一人という歴史もあるとか…。

 

さらに、この博物館ではチョコレートの作り方をデモンストレーションしてくれます。そしてできたてのチョコレートを試食することもできます!IMG_9361(チョコレートの作り方)

IMG_9359  (試食品)

IMG_9363

 

実際につくっています。

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2階にはカフェもあり、そこでチョコレートを楽しむことができます。IMG_9441

 

 

こちらは館内にある、昔使われていたチョコレートの自動販売機。実際に購入でき、こうした形でチョコレートの歴史を感じることもできます。

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ベルギーにはここだけでなく、他にもチョコレートに関する博物館があります。ベルギーを訪れる際、又はチョコレート好きな方はぜひ、歴史と一緒にチョコレートを楽しんでみてください!

 

 

 

チョコレートを愛するベルギー

街中には国旗の色でデザインされた、こんなモニュメントもありました。IMG_9462

 

ブリュッセルでお世話になったご家族に紹介してもらった人気チョコレート店。

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お値段はちょっとお高いですが、シンプルなチョコレートから、創造性豊かなチョコレートまで様々。しばらくいましたが、人が絶えることはありませんでした。

 

 

 

 

チョコレートにはカカオのように「濃い」歴史があり、またどの時代においても「エネルギーの源」でしたね。

 

 

人生いろいろ。

何かに行き詰まったり、考え込んでしまった時はチョコっと一口食べてみるのもいいかもしれません!

 

だって…

 

 

 

「人生はチョコレートの箱のようなもの。開けてみるまで中身はわからない」

フォレストガンプ(映画『フォレストガンプ』より)

 

 

よし!チョコレート食べて、今日も楽しもう!

 


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