クルージュ・ナポカはルーマニアの第3の人口を誇る都市です。
ルーマニアの工業、教育を支える地域のようです。
ビールの醸造も行っているらしく、場所によってはコーラと同じ値段で飲むことができます。
日中はのんびりした時間が流れ、夜には若者がワイワイしているのがこの街の特徴かもしれません。
郊外には近代的な建物のエリアも。
古い建物が並ぶエリア
土日は人数が減りますが(閉まっている店も多い)、平日は騒がしくなります。
日本人どころかアジアの顔を見る事は殆どなく、歩いていると、いろんなところから視線を感じます。(ヒゲをはやしている人はたくさんいるので、その影響は少ないかと思われます)
いつも通りふらふら散策していると、とあるギャラリーを発見。
中を覗くとおじさんが「中に入れよ〜!」と笑顔で手招きしてくれています。
なかなか貫禄のあるおじさん。このギャラリーのオーナーです。
クルージュ・ナポカにあるアートスクールを卒業した作家さんの作品を販売しているらしく、ギャラリーは小さいながらも素敵な作品が並んでいました。
「どこから来た?」と聞かれ、日本から来たと伝えると目を輝かせていました。
日本に興味があるらしく、いろいろと質問を受けました。
東欧を旅していてよく聞かれるのは、
「日本と中国、韓国は違うのか?」という質問。
おじさんは特に、「文字」について興味を持っていまいた。ひらがな、カタカナ、漢字を使うことを不思議に思っているようでした。そしてそれらは何歳から勉強するんだ?と。
当たり前のように使っているけど、確かに3つも文字を使うのは不思議な感じがしてきます。
「おれの名前をかいてくれよ」
と言われたので、ひらがなとカタカナで書いてプレゼント。
私の名前もルーマニアの表記で書いてもらい、アルファベットの発音の違いも教えてくれました。
そしてこの質問もたまに聞かれるものです。
「日本人が信仰している宗教は何だ?」
おじさんは「ブッタか?禅か?」などと言ってきます。
正直「信仰」というほど根付いたものは私自身になく、なんて答えたらいいのか困ることが多いです。もっと文化も英語も勉強して説明できるようにしなければいけませんね…。
中には「日本は神のいない国なのか?恐ろしい国だ」と感じる人もいるようです。
「信仰」という言葉があまりピンとこない日本は、世界目線では不思議な国だということを肌で感じました。
旅に出ていると、宗教がいかに人々に根付いているかを感させられることがあります。
おじさんのような質問もそうですが、歴史的な背景をはじめ、街に点在する協会やモスクの数。時間をかけてじっくりと礼拝を行う人々。
キリスト教の中でもカトリックとプロテスタント、正教会で違いますが、特に東欧正教会での何度も十字を切る礼拝は興味深いものでした。(写真はカトリック)
小さい頃「宗教」と聞くとなんとなく怖いイメージを持ったことがありましたが、こうした体験から、それは一部の情報やメディアからのイメージにすぎないということを肌で感じます。
もちろん、争いのきっかけとなってきた歴史を見ると考えてしまうものがあります(ドミトリーの宿に泊まっていると、宗教や文化の違いで言い合いしている姿を見ることもあります)が、「心のよりどころ」「支えとなるもの」があると強く生きれるような気がします。
会話中にお友達が訪問。そっちに夢中になるおじさん…
ですが、帰り際「コーヒーも出せずにごめんよ」と気遣ってくれた優しい方でした。
まだまだ知らないほどたくさんの文化があり、宗教があり、歴史があり、価値観があり、情報がある世の中。大切なのは自分のルーツを忘れることなく、しかし多様な考え方を理解し受け入れていくこと。そしてその作業を怠る事なく「自分らしさ」を自分で選択していくことだと感じました。
もっと学んで、体験しないといけないなぁ…。
様々なことに出会える散策。
ボケーッと、深くも浅くも考えながら、明日もどこに繋がるかわからい道を歩いてみます。