年に1度、春にミラノで開催される家具の見本市です。
2016年は4月12日(火)〜17日(日)の開催。
本会場のロー・フィエラでは、開催期間中の平日が企業向け、最後の2日間が一般公開となっています。
巨大な会場に、これほどまで企業があるのかと思うほどたくさんの展示ブースが。「一日ではまわりきれないよ」と聞いていましたが、本当にまわりきれませんでした。
会場内では各メーカーが自慢の製品や新作を発表。同じ、キッチン・バスルーム・家具・イスでも、デザインや素材の違いで全く違う。一つ一つが個性のある製品でした。また、展示の仕方にもそれぞれの工夫があり、「魅せ方」の勉強にもなります。
人目を引く製品は何かが違う…。
豪華さや色彩の美しさ、奇抜なデザインや機能性ももちろんありますが、やはり
「遊び心」と「技術」です!
本会場でも日本のメーカーさんが出店していました。そこでは4社ほどが合同でブースを構えていました。
木材を圧縮するところや、美しい曲線を生み出す行程を映像で流しており、日本の技術製品にかける想いを伝えていました。
こうした昔ながらの技術を伝えていくことが、日本の魅力だと感じます。
またロー・フィエラ本会場だけでなく、ミラノの街を全体でサローネを盛り上げており、街のいたるところでメーカーやデザイナーさんの発表の場が設けられています。それが「フォーリ・サローネ(サローネの外)」です。
フォーリ・サローネでは本会場より自由度が高く、一般の方向けといった感じです。
そしてそこでも、日本の技術み魅せられました。
8つの技術を持つ会社が、共同で日本の技術を伝えていくために活動するグループ
OttOさん。こちらの展示場では今回、釘を一切使わない建築の技術をメインに商品の販売や提案をしていました。
見に来てくれたお客さんは興味津々。
そこで会場内を案内をしてくださった石津さんから聞いた話。
たわしを作ったことがありまして、子ども達と一緒に組み立てるイベントをしたんですよ。最初お母さんは「この子、掃除なんかしないと思います。」と言っていましたが、翌日そのイベントにまた来て、「うちの子が昨日うちに帰って、このたわしを使って風呂掃除をしていました。本当にありがとうございます」と言ってくれたエピソードがあったんですよ。
今はゲームを与えておけば子どもが落ち着いていてくれるから、という理由でゲームを与える時代だなと感じます。でも、子どもにとって本当に大切なのはその場しのぎの物ではなく、今という時を経験し、理解し、納得することだと思います。
経験が人を成長させると思います。
大人が子どもの可能性を広げるチャンスを与えなかったり、感性を磨かれる環境にいさせなかったりすることも多々あるのかなと感じました。
「先生、学校でもこうしたものづくりのよさを伝えてやってください」と石津さん。
日本の伝統から教育に関することまで、様々なことを考えさせられました。
その他のブースでも日本の方とお話することができました。
ヨーロッパの「美」は「競争・支配」などの歴史的背景から、日本の「美」は「四季などの自然」から生まれたものが多いこと。また、職人の技も「遊び心」だとおっしゃっていました。
ビジネス的な考えも、島国の日本と、陸続きのヨーロッパではマーケットの広さの違いもあり、違いを感じることができました。
新しいデザイン・考え方・商品だけでなく、今や目の前のことを考えるきっかけともなった今回のミラノサローネ。
みなさんも、ぜひ訪れてみてくださいね!